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【認知症介護】
使えるコミュニケーション方法

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認知症にはいくつかの種類があり、特徴や症状・対応法が異なります。

 

この記事では、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に焦点を絞り、それぞれに合ったコミュニケーション方法を紹介します。

 

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アルツハイマー型認知症とのコミュニケーション

アルツハイマー型認知症に罹患する人のなかには、次のような不安を抱えている方がいます。

 

 

認知症の方の感情に寄り添い、少しでも不安を減らすための会話・コミュニケーションが大切です。次に紹介する2つの方法を実践してみましょう。

傾聴

傾聴とは、認知症の方の話を聴くことです。(「聞く」のではなく「聴く」。)

 

認知症の方の話す内容に目を向けるのではなく、言葉・表情の背景に着眼し、彼らの感情を含めて聴く、その姿勢を示すことが重要です。

 

実際に傾聴する際には、次の3点を実践してみると良いでしょう。

 

 

・適度な相づち

 

・相手の話す内容・表情に合わせたミラーリング

 (相手がうれしそうならば笑顔で、不安そうならば表情を曇らせて聴く)

 

・話の辻褄が合わない場合でも否定しない

 

 

 

認知症の方の言葉に耳を傾け、その表情を観察し感情をうかがうようにします。

決して、こちら側の価値観で、好き・嫌い、物事の良し悪しを判断せず、話を遮ることなく聴きます。

 

認知症の方に「話を聴いてもらえる」という安心感を持ってもらえれば、より深い信頼関係が構築でき、より良い介護の提供に繋がるでしょう。

受容

受容とは、相手の言葉・感情などを受け入れることです。上記の傾聴と重なる部分がありますが、決して自分の価値判断で批判したり、否定・評価したりせずに、ありのままを受け入れます。

 

私たち人間は、誰しも「承認の欲求」があります。自分を認めてほしい、他者から認められたいという欲求です。

 

これはたとえ認知症を患っていたとしても、持っている当然の欲求です。「判断能力が不十分だから」と、彼らの話す内容やその感情を無視してはいけません。

 

私たちの実践する受容によって、認知症の方が持つ「承認の欲求」が満たされ、先述の不安な気持ちが軽減されることに繋がります。

脳血管性認知症とのコミュニケーション

脳血管性認知症は「まだら認知症」と呼ばれています。なぜなら、脳血管性疾患によってダメージを受けた部位と、そうでない部位があることから、部分的な障害が出るためです。

 

つまり、著しい認知機能の低下が起こる方もいれば、部分的な障害だけで済む方もおり、人によって症状が異なる点に特徴があります。

 

大切なのは「認知症=判断能力が不十分」と決めつけないことです。前述のとおり、ダメージを受けていない部位は正常に機能していることが考えられるため、本人の認知機能・状態を充分に理解して対応することが大切です。

 

そのうえで、次のような環境づくり・声掛けが適切だといえるでしょう。

 

 

・適度に明るさを保った部屋で、座り心地の良い椅子に掛けてもらう

 

・ゆっくりとした口調、適度な大きさで声をかける

 

・本人のお話をよく聴き、表情を観察して、適度なミラーリングを行う

 (相手が嬉しそうならば笑顔で、不安そうならばそれに寄り添った表情で聴く)

 

・不安な言葉鵜や表情があれば観察してその背景をうかがい、感情・気持ちに寄り添う

 

・(本人の許可を得たうえで)

 優しく手を握る、背中・方に優しく触れるなど、適度なスキンシップを行う

 

・できる部分とできない部分をきちんと見極めて、できる事を尊重しながら対応する

 

 

まとめ

この記事で取り上げたとおり、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症には異なる特徴があり、また症状も人によって異なるため、それぞれに合わせたコミュニケーション方法を実践しましょう。

 

認知症の方とのコミュニケーションの基本は「決して否定しないこと」です。当事者の立場に立って話を聴き、適度な相づちを打ちながら、感情のミラーリングを実施して、共感的に理解するように努めましょう。

 

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参考文献

1.介護福祉士養成テキストブック11 「認知症の理解」 本間 昭編 ミネルヴァ書房 2009年

2.「認知症の理解と介護」 編集中村裕子 メヂカルフレンド社 2013年

3.諏訪茂樹(2010)『対人関係とコミュニケーション』第2版 中央法規

 

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