【介護離職】
ビジネスケアラーの実態と介護離職を防ぐための対処法を解説

ケアリエコラム>介護関連

仕事をしながら家族の介護に従事する人たち、いわゆるビジネスケアラーが近年増えており、国は2030年には約318万人に上ると試算しています。

 

それに関連して、仕事と介護の両立が難しく、結果として仕事を辞めざるを得ない「介護離職」も増加しています。

 

この記事では、介護離職・ビジネスケアラーの現状を解説するとともに、仕事と介護を両立させ、介護離職を回避するための方法を紹介します。

 

”ざっくり”この記事でわかること

・ビジネスケアラーや介護離職者は増加傾向にある

・介護離職することで介護に専念できる一方、社会復帰が困難になる

・介護休業・介護休暇などの介護に関する制度がある

 

 

介護離職者の実態

介護離職とは、労働者が家族の介護や看護を理由に離職することを指します。

 

総務省統計局の発表した「令和4年就業構造基本調査結果」を紐解いてみると、介護離職・ビジネスケアラーの現状が見えてきました。次のとおりです。

 

項目

内容

介護離職者の数

全国で約10.6万人

ビジネスケアラーの数

介護者629万人のうち、約半数が仕事をしている

有業率

・男性は50~54歳が88.5%

・女性は50~54歳が71.8%と最も高い

 

この結果から、ビジネスケアラーの半数以上は仕事と介護を両立していることがうかがえます。しかし、その一方で介護休業を利用している人は1.6%、介護休暇を利用している人は4.5%に留まっており、充分に両立できているとは言い難いのではないでしょうか。

 

今後、平均寿命の延長に伴う高齢化の進展が予想されるなかで、ビジネスケアラーや介護離職はますます増加すると見込まれています。

介護離職の原因

介護離職にはどのような原因があるのでしょうか。

以下、厚生労働省の示した「令和3年度仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者調査 結果の概要」を参考に、その原因を紹介します。

勤務先の問題

勤務先で介護休業・介護休暇の取得に対する理解が進んでおらず、利用しづらい雰囲気であることから、結果として離職を選んでしまうケースです。

介護保険の認知度に関する問題

家族が要介護状態になったとき、利用できる介護保険サービスがあると知らず(またはスムーズに利用できずに)、一人で抱え込んでしまい、結果として離職してしまうケースです。

家族などの希望

本当は仕事を続けたかったけれども、介護を必要とする家族などが「仕事を辞めてほしい」と希望したことによって、介護離職を選択するケースです。

介護離職をするメリット・デメリット

介護離職にはメリット、デメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

介護離職のメリット

項目

内容

介護の時間が十分にある

仕事を辞めて時間的な余裕が生まれ、その時間を介護に費やすことができるようになる

費用を

軽減できる

これまで利用していた介護保険サービスを減らし、その分の介護を家族が担うようになれば、自己負担の費用を軽減できる

仕事のストレスが減る

時間やノルマに追われることもない、顧客に振り回されることもないなど、仕事に関するストレスが無くなる

 

介護離職のデメリット

項目

内容

収入の減少

これまでの定期収入が得られなくなることによる経済的不安。それに伴って精神的なストレスが高まる

身体的・

精神的負担増

介護による身体的・精神的な負担が増え、疲労が蓄積する

再就職が

難しい

介護が一段落ついて、再就職をしようとしても、40代・50代の再就職は難しい。また、仕事と介護の両立ができる適当な職場が見つからない

 

介護離職をすることで介護に専念できるようになる一方、介護が一段落した際には社会復帰が難しくなるなど、その後の人生に影響が出てしまう可能性もあります。

介護離職を防ぐための対処法

介護離職を防ぐためには、どのような対処法があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

介護休業給付金や介護休暇制度の利用

介護を必要とする家族がいる場合、退職せずに仕事を両立するための制度として、介護休業給付金や介護休暇制度があります。

 

介護休業制度は、介護を必要とする家族を介護するために休業を取得した際に、給与の一部が支給されます。介護休暇制度は、介護するために休暇を取得できる制度です。いずれも要件がありますので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

 

短時間勤務などの勤務時間調整の措置

介護休業や介護休暇の他に、介護を必要とする家族がいる場合、短時間勤務や残業免除など4つの措置によって労働者を守る制度があります。

これらと介護保険サービスと併用すれば、退職せずに仕事と介護の両立が可能になるかもしれません。

 

介護休業同様、要件などはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

生活福祉資金の活用

生活福祉資金とは、高齢者の属する世帯などが安定した生活を送れるよう、都道府県社会福祉協議会が資金の貸し付けと必要な相談・支援をしてくれる制度です。

勤務時間の短縮や欠勤などにともなって、収入が低下し、一時的に生活が苦しくなった場合は、この制度を利用して経済的な安定を図りましょう。

介護施設への入居を検討する

有料老人ホームなどの介護施設への入居ができれば、自宅で介護をする必要がないため、離職をしなくて済みます。離職を回避できれば収入減を避けられるため、経済的に安定し、これまでの生活を継続することができます。

 

 

介護コネクトでは、介護施設の情報掲載や資料請求はもちろん、プロの相談員「あなたのケアリエ」が介護施設・高齢者施設のご相談・ご紹介を承っております。

 

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まとめ

この記事では、介護離職の現状とその対処法について解説してきました。介護離職は、利用できる諸制度を知らない、または使えなくて、一人で抱え込んでしまい、結果として起きてしまうリスクであることが分かりました。

 

自宅での介護で困っていることがあれば、地域包括支援センターや担当のケアマネジャー、都道府県労働局などに相談して、仕事と介護を両立できる方法を探ってみましょう。

 

 

 

 

-この記事の執筆者-

ケアリエコラムチーム

「介護コネクト」のコラムを執筆するチームです。介護や高齢者の健康・生活に役立つ情報をご紹介します。

 

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