親の介護は突然やってくる!介護が必要になる前に知っておきたい準備と心構え

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「親の介護って、いつ始まるか分からないから不安…」そう感じていませんか?今は元気な親でも、突然の病気やけがで介護が必要になることがあります。特に40〜60代の方は、仕事や家庭との両立の中で「もしもの時」にどう対応すればいいのか、心配になりますよね。

実際に介護が始まってから慌てないためには、早めの準備がとても大切です。とはいえ、「何を準備すればいいのか分からない」「何から手をつければいいの?」と悩む方も多いはず。

そこでこの記事では、親の介護に備えるために知っておくべき、介護が始まるきっかけ、お金の備え方、使える制度やサービスの情報などを解説します。

”ざっくり”この記事でわかること

・親の介護は突然やってくる…元気なうちからの準備が大切

・話し合い・お金・制度…今すぐ始める介護の備え

・施設?自宅?住まい選びと環境整備のポイント


-目次-

1.親の介護は突然やってくる

 1-1. 準備不足に陥らないために

 1-2. 介護が始まるきっかけやタイミング

 1-3. 「親の介護が必要になるのはいつ?」

2.介護の準備として最初にすべきこと

 2-1. 親の希望を確認する

 2-2. 家族間の役割分担を話し合う

 2-3. 連絡先や医療情報を整理する

 2-4. 話し合いの始め方に工夫をする

3.介護にかかるお金を備える

 3-1. 平均的な介護費用とは?

 3-2. 親の資金と家族の負担のバランス

 3-3. 公的支援制度の活用

 3-4. 事前にすべきお金の準備

4.介護保険制度と使えるサービスを理解する

 4-1. 介護保険制度とは?

 4-2. 申請から認定までの流れ

 4-3. 利用できるサービスの種類

 4-4. 地域包括支援センターの活用

5.住まいと介護環境をどう整えるか

 5-1. 自宅介護と施設介護の違い

 5-2. 住まいのバリアフリー化と補助制度

 5-3. 施設の種類と特徴を理解する

 5-4. 施設入居のタイミングと注意点

6.一人っ子や遠距離の場合に考えるべきこと

 6-1. 協力者の確保が不可欠

 6-2. 遠距離介護で使えるサポート

 6-3. 「チーム介護」の意識を持つ

7.まとめ:親が元気な今こそ、介護の備えを始めよう

 -参考文献

 

親の介護は突然やってくる

介護は計画的に始まるものではなく、ある日突然やってくることがほとんどです。介護が始まるタイミングや準備不足による影響について解説します。

準備不足に陥らないために

介護について「まだ早い」と思い込んでいると、準備不足のまま介護の日が訪れ、慌ててしまうことが少なくありません。

元気に見えていた親が、突然の入院や転倒によって要介護状態になる例は非常に多く、そうした事態に備えることは、親だけでなく介護をする、あなた自身の心の余裕にもつながります。

介護が始まるきっかけやタイミング

介護が始まるきっかけは、主に病気やケガ、認知症の進行などです。転倒して骨折し、そこから歩行が困難になる、もしくは寝たきり状態になる。軽度の物忘れが認知症に変わっていく、などです。

これらは、ある日突然起こる可能性も少なくありません。

「親の介護が必要になるのはいつ?」

「親の介護は何歳くらいから必要になるの?」と不安に思う方もいるでしょう。厚生労働省の統計では、介護が必要になる年齢の平均は80代前半ですが、実際には60代後半や70代で要介護認定を受けるケースもあります。

つまり「まだ早い」と思わず、40〜50代のうちから備えておくことが現実的な対策といえるでしょう。

介護の準備として最初にすべきこと

介護に備える第一歩は、親や家族との話し合いです。親や家族の希望や役割分担、情報の整理など、今からできる準備を具体的にご紹介します。

親の希望を確認する

介護を始める前に、まずは親自身の意思を確認しておくことがとても大切です。例えば、「自宅で過ごしたい」「延命治療は望まない」といった希望は、事前に知っておくことで、家族全体の方針が立てやすくなります。

「どんな老後を送りたいか」を聞いてみましょう。

家族間の役割分担を話し合う

介護は一人で抱え込むと心身ともに大きな負担になります。兄弟姉妹がいる場合は、介護の分担や金銭的な支援について明確に話し合っておくことが重要です。

一人っ子の場合でも、親戚や近隣との関係を見直し、協力をお願いできる体制を整える準備が必要です。

連絡先や医療情報を整理する

親のかかりつけ医、服用している薬、加入している保険、年金の情報など、緊急時に必要な情報は一覧にしておくと安心です。ノートやスマートフォンにまとめておくと、いざという時に慌てずに済みます。

話し合いの始め方に工夫をする

介護の話題は切り出しづらいものですが、「最近調子はどう?」「どんな暮らしをしたいと思ってる?」といった日常の会話から自然に入り込むと、スムーズに進みます。

無理に重い話をするのではなく、徐々に親の気持ちを聞き出していくのがポイントです。

介護にかかるお金を備える

介護にかかる費用は決して小さくありません。平均的な費用、支援制度、事前の準備について見ていきましょう。

平均的な介護費用とは?

介護費用の月々の負担はどのくらいなのか気になりますよね。在宅介護では月5〜15万円程度、施設に入所すると月20〜30万円以上かかることもあります。

特に施設介護では、入居一時金や月額利用料が大きな負担になるため、あらかじめ費用感を知っておくことが重要です。

 

 

親の資金と家族の負担のバランス

「親の介護費用は誰が負担すべき?」と悩む方も多いでしょう。原則としては、親の年金や貯蓄を使うのが一般的です。ただし、すべてを親の資金でまかなえるとは限らないため、家族で分担方法を話し合い、将来のトラブルを防ぎましょう。

公的支援制度の活用

高額介護サービス費制度は、一定額を超えた自己負担分を払い戻してくれる制度です。他にも、介護保険による訪問介護やデイサービスの費用補助があります。これらを上手に利用すれば、家計への負担を軽減することができます。

事前にすべきお金の準備

いざというときに困らないために、親の保険の有無や貯金口座の場所、介護保険の給付内容を事前に確認しておきましょう。民間の介護保険に加入している場合も、保障内容や請求手続きを把握しておくと安心です。

 

 

介護保険制度と使えるサービスを理解しよう

介護保険制度を正しく理解することで、介護の負担を大きく軽減できます。申請方法や利用可能なサービスについて見ていきましょう。

介護保険制度とは?

介護保険制度は、40歳以上の人が加入し、介護が必要になった際に1〜3割の自己負担で介護サービスを利用できる仕組みです。要介護や要支援と認定された人に対し、必要なサービスが提供されます。

 

 

申請から認定までの流れ

まず、市区町村の介護保険課に要介護認定の申請を行います。その後、訪問調査と医師の意見書に基づいて審査が行われ、要支援1〜2または要介護1〜5の区分で認定されます。この認定によって利用できるサービスが決まります。

 

 

利用できるサービスの種類

介護保険で利用できる主なサービスには、訪問介護、デイサービス、ショートステイなどがあります。たとえば、日常生活の一部を支援する訪問介護や、日中だけ施設で過ごすデイサービスなど、状況に応じた柔軟な利用が可能です。

地域包括支援センターの活用

制度について不安がある方や申請手続きに迷う方は、地域包括支援センターに相談するのが安心です。介護に関する総合的な相談窓口として、情報提供や手続きのサポートをしてくれます。

 

 

住まいと介護環境をどう整えるか

自宅介護と施設介護、それぞれに必要な住まいの環境整備と考慮すべき点を紹介します。将来の暮らし方を考える参考にしてください。

自宅介護と施設介護の違い

親の介護をどこで行うかは大きな判断になります。自宅介護は慣れ親しんだ環境で過ごせるメリットがある一方で、介護者の負担も大きくなります。対して施設介護はプロの支援を受けられる安心感がある反面、費用や入所条件に注意が必要です。

住まいのバリアフリー化と補助制度

自宅介護を選ぶ場合は、手すりの設置や段差の解消など、住環境の整備が欠かせません。こうした住宅改修には介護保険の補助制度を利用できるケースがあります。事前にケアマネジャーや行政に相談しておくとスムーズです。

 

 

施設の種類と特徴を理解する

特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、施設の種類はさまざまです。それぞれ受け入れ条件や費用、サービス内容が異なるため、パンフレットを集めたり見学に行くなどして比較検討しましょう。

 

 

施設入所のタイミングと注意点

「施設っていつから入れるの?」という声もよく聞きますが、一般的には要介護認定を受けた時点で入所申請が可能です。ただし、人気施設は数ヶ月から1年以上の待機があることも少なくありません。

介護が必要になってから慌てて施設を選ぶのではなく、施設の情報を集めたり、見学に行くなど早めに行動すると安心ですね。

一人っ子や遠距離の場合に考えるべきこと

介護に直接関われない状況でも、できる備えはたくさんあります。協力体制の整え方やITツールの活用法を解説します。

協力者の確保が不可欠

一人っ子や遠方に住んでいる場合、介護のすべてを自分一人で背負うのは難しいものです。あらかじめ近くに住む親戚や知人、地域の支援者など協力してくれる人を見つけておくことで、いざという時の安心感が違います。

 

 

 

遠距離介護で使えるサポート

見守りセンサーや介護記録アプリなど、遠距離介護を支えるITツールも増えています。定期的な電話やオンライン面談と合わせて、介護の様子を把握しやすい環境を整えると安心です。

 

 

「チーム介護」の意識を持つ

「全部自分でやらなければ」と思い込む必要はありません。ケアマネジャーやヘルパー、医師などと連携して“チーム”で親を支えることが、持続可能な介護につながります。相談先の情報は今のうちに整理しておきましょう。

まとめ:親が元気な今こそ、介護の備えを始めよう

親の介護に備えるには、「元気なうちにできること」を一つずつ進めておくことが大切です。準備しておけば、いざという時に慌てず、親の希望を尊重した介護ができるようになります。

この記事で紹介した「話し合い」「お金の準備」「制度の理解」「住まいの選択」「相談先の把握」は、すべて今からでも始められることばかりです。

介護は突然やってくるもの。だからこそ、今のうちにできる備えが、将来の安心につながります。「まだ早いかな」と思っていても、今日できる一歩を踏み出すことが、あなたとご家族を支える大きな力になりますよ。

 


 

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-この記事の執筆者-

ケアリエコラムチーム

「介護コネクト」のコラムを執筆するチームです。介護や高齢者の健康・生活に役立つ情報をご紹介します。

 

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