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【認知症とは?】認知症の種類とそれぞれの症状を解説

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今後、認知症高齢者の増加が予想されるなかで、社会が認知症に関して理解を深め、適切に対応できるようになることが求められています。

 

この記事では認知症の種類を紹介するとともに、それぞれの原因や特徴、症状を説明します。加えて、認知症に共通する代表的な症状と、適切な対応方法を解説します。

 

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認知症の定義

厚生労働省は「認知症施策の現状」で、認知症を「脳の変性疾患や脳血管障害によって、記憶や思考などの認知機能の低下が起こり、6ヶ月以上にわたって、日常生活に支障をきたしている状態」と定義付けています。

 

言い換えれば、加齢に伴って脳が本来持つ機能が低下することで、記憶や思考へ悪影響が見られ、日常生活に支障が出る病気だといえます。

認知症の種類

認知症には、幾つかの種類があります。以下、それぞれの原因、特徴、主な症状を整理して説明します。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症のなかで代表的な類型の一つです。国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター もの忘れセンターの「認知症はじめの一歩」によると、認知症の約70%を占めます。概要は次のとおりです。

 

項目

内容

原因

脳内に異常なたんぱく質が溜まり、脳の神経細胞が壊され、萎縮が起きてしまう。たんぱく質の発生原因は不明だが、遺伝的、環境的要因が関連し、そのうえ生活習慣等も影響すると考えられている。

特徴

ゆっくりと進行が進むため、早期に発見がしづらい。

症状

昔のことはよく覚えているが、今日の日付や朝食の献立など、最近のことを忘れる。最初は軽い物忘れから始まり、やがて日時・場所の把握が難しくなり、末期には心身機能の著しい低下(自立した入浴・排泄が困難等)が見られる。

脳血管性認知症

脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患によって脳内に十分な血液が行き届かず脳細胞が死んでしまい、それにともなって現れる認知機能障害です。前掲書によると、認知症患者全体の19.5%を占めます。概要は次のとおりです。

 

項目

内容

原因

脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)に伴って現れるため、高血圧をはじめ、糖尿病などの生活習慣病が主な原因だといえる。

特徴

「まだら認知症」と呼ばれる。なぜなら、脳梗塞が起こった脳の範囲によって、できること・できないことの偏りが生じるため。著しい認知機能の低下が起こる方もいれば、部分的な障害だけで済む方もいるなど、人によって症状が異なる。

症状

日常生活に支障が出るような記憶障害が出て、手足の麻痺による歩行障害、尿失禁が出る。また、うつ状態になることがあり、その他、妄想や感情失禁、せん妄が出る。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは、脳内にレビー小体という異常なたんぱく質が溜まることで起こるとされる認知症です。このたんぱく質が脳の神経細胞を壊していく病気です。

 

項目

内容

原因

レビー小体という特殊なたんぱく質の異常発生により、脳の神経細胞が破壊されるが、異常発生の原因は分かっていない。

特徴

頭がはっきりしている時と、はっきりしていない時の差が激しい。

症状

人や虫、動物などが見える幻覚・幻視や、手足の震え、小刻み歩行、筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状などによって、転倒のリスクが高まる。

前頭側頭葉変性症(ピック病)

前頭側頭型認知症は前頭側頭葉変性症(指定難病)の一つで、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することで認知機能が低下する疾患です。

 

項目

内容

原因

明確な原因が分かっておらず、治療方法が確立していない。神経細胞に異常なたんぱく質が蓄積されていることが影響しているとされているが、なぜこのような変化が起こるかは分かっていない。

特徴

比較的初老期に発症し、人格の保持、社会生活の維持、言語コミュニケーション等に障害が出る。支える家族としては身体的、精神的なストレスが多い。

症状

さっきまで笑っていたら突然泣き出してしまうなどの情緒が不安定になるなどの情緒障害)、温和だった人が怒りっぽくなるなどの人格障害、窃盗を繰り返す、他人の家に勝手にあがるなどの異常行動がある。

認知症の対応方法

認知症の方をケアするうえで大切にしなければならない対応方法は何でしょうか。それは、認知症の方の尊厳を守りながら、その人らしく安心して生活を送ることができるように支援することです。

 

厚生労働省は「認知症ケアの基本的考え方」において、認知症ケアの基本的考え方として次の4点を挙げています。

 

 

考え方

内容

1

身体のケアと心のケア

一定の生活リズムを心がけ、できるだけ本人のペースに合わせた対応を取る。また、認知症の症状だけに目を向けるのではなく、生活や行動全般を観察し、対応方法の参考にする。

2

関係性の重視

できる限りなじみの人間関係のなかで、日常生活を送るようにする。また、なじみの居住空間(住み慣れた地域、自宅)が望ましい。

3

継続性と専門性の重要性

家族だけで抱え込まず、状態変化に対応した専門的ケアを受けることが大切。医療機関や介護サービスなどを適時・適切に利用する。

4

権利擁護の

必要性

認知症の方に判断能力が無いと決め付けるのではなく、できるだけ本人の意思を推察し、尊重する努力が必要。本来持つ人権、管理を守ることも重要。

 

これら4つの考え方を基にケアを実施し、認知症の方の尊厳を保持しながら適切な公的支援につなげていくことが重要です。

まとめ

認知症は、高齢期における介護の問題と密接に関わり合っています。

認知症の種類はいくつかありますが、この記事を読むことで、認知症の症状や特徴などを正しく理解しましょう。

 

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参考文献

「認知症施策の現状」厚生労働省

「認知症はじめの一歩」国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター2015年

・「認知症の理解と介護」 中村裕子=編集  メヂカルフレンド社 2013年

・介護福祉士養成テキストブック11 「認知症の理解」 本間 昭編 ミネルヴァ書房 2009年

「認知症ケアの基本的考え方」厚生労働省

 

 

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