指先の運動で認知症予防!効果的な指体操と暮らしに取り入れたい習慣を紹介

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「最近、名前が出てこない」「親が物忘れを気にしている」といった不安はありませんか?


認知症は誰にとっても他人事ではありませんが、予防のために何をしたらいいか迷う方も多いですよね。そんなときにおすすめなのが、「指先を使う習慣」です。

この記事では、なぜ指先を使う習慣が認知症予防に役立つのか?「指体操」を難易度別にご紹介しつつ、暮らしの中でできる簡単な習慣もあわせてご紹介します。

ご自身の健康のためにも、大切なご家族のためにも、今日から始められるヒントを見つけてみてくださいね。

 

”ざっくり”この記事でわかること

・指先を使うことで脳の重要箇所「前頭葉」が活性化される

・指体操を初級~上級別に紹介!

・料理や洗濯など、普段の家事も十分認知症予防になる

 

-目次-

1.なぜ指先の運動が認知症予防に良いのか?

2.認知症予防に効果的な指体操

 2-1.初級編:グーパー体操・指回し体操

 2-2.中級編:足し算体操・スピード変化体操

 2-3.上級編:後出しじゃんけん体操・歌と一緒にやる体操

3.指体操を安全に行うための注意点

 3-1.体に負担をかけないやり方

 3-2.どのくらいの頻度?

 3-3.整理体操を忘れずに

 3-4.心配な場合は専門医への相談も

4.日常でも指先を使う場面はたくさんある!

 4-1.家事(料理・洗濯)

 4-2.趣味(家庭菜園・裁縫)

 4-3.筆記(ペン字・日記)

 4-4.ゲーム(囲碁・将棋・トランプ)

5.まとめ

 -参考文献

 

なぜ指先の運動が認知症予防に良いのか?

「指を動かすだけで認知症予防?」と驚かれるかもしれませんが、実はしっかりとした根拠があるんです。

指先を使う動作は、脳の前頭葉や運動野と呼ばれる部分を活性化させます。

このエリアは、判断力記憶力集中力などをつかさどる重要な場所。だからこそ、日常的に指先を動かすことが、認知症予防につながるのです。

ですが、「本当に効果があるの?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。実際、世界保健機関(WHO)の認知症予防ガイドラインでも、身体活動や認知的刺激が推奨されており、指体操のような簡単な活動でも効果があるとされています。

例えば、ペンを持って何かを書く、ボタンを留める、針に糸を通すといった細かい動作も、立派な脳トレーニングになります。

テレビを見ながら、ちょっとした空き時間にできるので、まずは気軽に取り入れてみてくださいね。

認知症予防に効果的な指体操

「指体操」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、段階を追って取り組めば無理なく続けることができます。ご自身の状態や習慣に合わせて、無理のない範囲から始めてみましょう。

2-1.初級編:グーパー体操・指回し体操

まずは、誰でも簡単にできる体操から始めてみましょう。代表的なのが「グーパー体操」です。手をぎゅっと握ってパッと開く、この動作をゆっくり10回ほど繰り返すだけでも、血行がよくなり指先がポカポカしてきます。

次におすすめなのが「指回し体操」です。親指以外の両手を合わせて、両方の親指だけを円を描くように回す動作を、左右それぞれ10回ずつ行います。

これにより、関節の柔軟性が高まり、細かい動きがしやすくなります。

「これくらいで効果があるの?」と思われるかもしれませんが、小さな積み重ねこそが、将来の認知症リスクを下げる一歩になるんです。

2-2.中級編:足し算体操・スピード変化体操

少し慣れてきたら、指と頭を同時に使う体操に挑戦してみましょう。おすすめは「足し算体操」です。

指で数字を作りながら、声に出して別の計算式を言う体操です。例えば、指では「2」を出しながら、「3+4は?」と声に出します。

このように、手と脳に別々の指令を出すことで、前頭葉がしっかりと活性化されるのです。

また、「スピード変化体操」では、グーパー体操や指回しをゆっくり・速くとテンポを変えて行うことで、リズム感や集中力も鍛えられます。

2-3.上級編:後出しじゃんけん体操・歌と一緒にやる体操

最後に、遊び感覚で取り組める上級者向けの体操をご紹介します。「後出しじゃんけん体操」は、相手が出した手を見て、わざと負ける手を後から出す体操です。これが意外と難しく、脳がフル回転します。

また、「歌と一緒にやる体操」では、「むすんでひらいて」などの童謡に合わせて、手や指を動かします。リズムに合わせることで、認知機能だけでなく心肺機能にも良い影響が期待できます。

お孫さんやご家族と一緒にやることで、自然と笑顔が増え、心の健康にもつながりますよ。

指体操を安全に行うための注意点

せっかくの予防法も、無理をしてケガをしてしまっては本末転倒。安全に楽しく続けるために、いくつかのポイントを確認しておきましょう。

3-1.体に負担をかけないやり方

「指が痛い」「肩がこる」と感じたら、一度休んでくださいね。無理せず、気持ち良い範囲で行うことが大切です。

特に関節に痛みを感じる方は、無理に動かすことなく、できる動きから始めましょう。

3-2.どのくらいの頻度?

毎日5分から10分、好きなタイミングでOKです。「朝起きたとき」「テレビのCM中」「寝る前のリラックスタイム」など、生活の中にうまく組み込むのがコツです。

3-3.整理体操を忘れずに

指体操のあとは、手や手首が疲れてしまう場合もあります。そのため、指体操のあとには、手首を回したり深呼吸をしたりして、体をリラックスさせる時間を取りましょう。

軽いストレッチや手をさするだけでも、血行が促進されて効果が高まりますよ。

3-4.心配な場合は専門医への相談も

痛みがある、手が思うように動かないといった場合は、医師や理学療法士に相談しましょう。安全第一で取り組むことが、長く続けるための秘訣です。

日常でも指先を使う場面はたくさんある!

指体操など特別なことをしなくても、実はいつもの暮らしの中に認知症予防のヒントがたくさんあるんです。

4-1.家事(料理・洗濯)

例えば、野菜を切る、洗濯物を干す・たたむといった動作は、指先を繊細に動かす良い機会です。

料理では、材料を手に取る、皮をむく、盛り付けるといった細かい作業が多く、自然と手指を使います。また、献立をどうするか頭を使ったり、食材の買い出しで歩いてスーパーまで行くなど、自然と運動にもなるでしょう。

掃除も思ったより体や指先を使うことも多いです。綺麗な部屋は気持ちがスッキリして気分転換にもなりますね。

「いつもの家事が脳トレになるなら一石二鳥」と感じる方もいるでしょう。毎日の家事が、実は知らず知らずのうちに認知症予防になっているのです。

4-2.趣味(家庭菜園・裁縫)

ハサミで枝を切る、針に糸を通す、ボタンをつけるなど、指先の器用さが求められる作業ばかり。家庭菜園では土を掘る、苗を植える、水をあげるといった動きも手をしっかり使います。

「昔はよく縫い物してたな」という方も、再開のチャンスです。楽しみながら指先を動かすことで、気分転換にもなり、心の健康にもつながります。

4-3.筆記(ペン字・日記)

手で文字を書くことは、脳をフル回転させる活動です。特に日記は「思い出す」「書く」「読む」の3ステップがあり、記憶力や表現力の維持にも効果的です。

「今日は何を食べた?」「昔どんな遊びをした?」など、毎日の記録を残すことで、過去の出来事を振り返る「回想」にもなります。

お気に入りのペンやノートを使えば、続ける楽しみにもなりますね。

4-4.ゲーム(囲碁・将棋・トランプ)

戦略を考えたり、手札を隠しながらプレイするゲームは、楽しみながら脳を鍛えるのに最適です。囲碁や将棋は、相手の手を読みながら進めるので、集中力や計画性が養われます。

トランプやUNOなどのカードゲームも、ルールを覚える・順番を考えるといった脳の働きが求められ、認知機能の維持に役立ちます。

何より人と関わることは、認知症予防にとても良いことです。家族や友人と笑いを交えてゲームを楽しめるといいですね。

まとめ

指体操は、道具も広いスペースもいらず、誰でも手軽に始められる認知症予防法です。そして、日々の生活の中にある動作や趣味も、実はとても効果的な「脳トレ」なのです。

「何から始めたらいいか迷う…」という方は、まずは指体操の初級「グーパー体操」や「指回し体操」から。慣れてきたら、中級・上級、料理や書きものなど、他の活動にも少しずつ広げていきましょう。

親子で一緒に取り組めば、健康はもちろん、会話のきっかけにもなります。今日から指先を動かす習慣をぜひ始めてみてくださいね。

 


 

 

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-この記事の執筆者-

ケアリエコラムチーム

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