遺言書で「争族」を「想族」へ
遺言書を作るべき人と作り方を解説
ケアリエコラム>終活関連
遺言書と聞くとどのようなイメージがありますか?
「お金持ちが書くもの」「相続でもめそうな人が書いておくもの」など、自分には関係ないと思う人が多いのではないでしょうか。
お金持ちや、もめそうな人はもちろんですが、実は財産の多い少ない、家族仲に関係なく遺言書を書いておくことをお勧めしています。
そこで今回は、作るべき人の例をあげて「遺言書」の作り方をお伝えします。
遺言書とは?
はじめに遺言書とは何でしょうか。
遺言書とは「財産の引き継ぎ書」です。
自分の財産を誰に、何を、どれくらい引き継いでほしいのか記したものになります。民法で定められた方式に従って作成するため、法的効力を有する文書となります。
似た言葉に「遺書」がありますが、こちらは「自分の想いを書いた手紙」となります。そのため何を書いても問題ないのですが、法的効力はありません。
よくテレビで見てイメージする遺言は、実は「遺書」の方が多いかもしれません。
どんな人が作るべき?
では、特に遺言書を作るべき人とはどのような人なのでしょうか。
①子どもがいない夫婦
夫が遺言書を残していなかった場合の相続人は妻、そして夫の兄と姉となります。ここでよくある間違いが「全部配偶者がもらえると思っていた」です。
遺言書がない場合は相続人同士でどう分け合うのか話し合わなければなりません。
義理の兄や姉と財産について話し合うことは簡単でしょうか。遠方に住んでいる、あまり付き合いがない、また仲がよくてもお金のことは言いにくいなどあるかと思います。
また、万が一すでに夫の兄もしくは姉が亡くなっていた場合はその子ども、つまり甥や姪が相続人となります。
そうなるとより話し合いは難しくなるでしょう。
②婚姻歴のない独身の方
配偶者・子ども・親・兄弟もいない場合は、相続人がいないということになります。いとこや叔父・叔母は相続人には当たりません。
その場合、代々受け継いできた家屋やこつこつ積み立ててきた預貯金など全ての財産は国に帰属することになってしまいます。
③相続人に判断能力のない人がいる(いる可能性がある)
もし妻に何かあった時、遺言書がない場合は夫と子どもで財産分けの話し合いをし、その結論を「遺産分割協議書」という書類に署名と押印をしなければ手続きができません。
ですが、相続人全員に判断能力があることが前提となっているため、夫が認知症で話し合いができず、署名もできないとなると財産は分け合えません。
つまり、財産に全く手を付けられないことになってしまいます。
④連絡の取れない相続人がいる
③のとおり、遺言書がない場合は話し合いと遺産分割協議書への署名、押印が必要になります。
相続人が海外にいると話し合いが難しいのはもちろん、書類に署名してもらうのに時間がかかります。
また、「印鑑証明書」が必要となりますが、海外在住の人は印鑑証明書がないため、日本大使館または日本領事館にて「サイン証明書」の発行が必要となり、時間と手間がかかります。
例1と同様に、話し合いや遺産分割協議書への署名と押印ができず、財産を分け合うことができなくなります。
①~④の例は、遺言書があれば解決できる例です。
下記のような場合も、遺言書は有効です。
自筆?公正証書?遺言の種類と特徴
遺言書は、手書きで作成する「自筆証書遺言」と公証役場で作成する「公正証書遺言」の2つに分類できます。
違いは以下のとおりです。
「うちは大丈夫」と思ってはいけない
「うちは財産がそんなにないから大丈夫!」と思っている方は、財産が少ないからといって相続手続きが簡略化されるわけではありません。
極端な話、故人の銀行口座を解約するのに預金残高1,000円でも一億円でも、必要な書類や手続きは変わりません。
財産の多い少ないではないのです。
また、「家族は仲がいいから大丈夫!」と思っている方は、最初からもめようと思ってもめる人はほとんどいません。
「子どもたちがうまくやってくれるはず!」と思っていても、相続人の間で財産への想いや考え方のすれ違いが生じるケースはよくあります。
例えば家を遺す場合、子どもの一方はもう住む人もいないし売りたいが、一方は思い出が詰まった実家をなるべく残したいなど、考えが一緒とは限らないのです。
まとめ
まだまだ遺言書を作る人は少ないのが現状です。
自分が亡くなった後に周りの人たちが争うことは誰も望んでいないと思います。
「争族」ではなく「想続」へ。
自分の想いを伝え、争いごとなくしっかりと財産を引き継いでもらうためにも、一度遺言書の作成を考えてみませんか?
遺言書の形式とは?
うちの場合どう書いたらいいだろう?
など、詳しく知りたい方は、ぜひ「終活・相続支援センター札幌」までお問い合わせください。
また、介護に関すること、高齢者施設に関することなどは「介護コネクト」までお気軽にご相談ください。
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