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【認知症になりやすい人の特徴】
性格・口癖・生活習慣は?予防方法も解説

ケアリエコラム>認知症関連

近年、高齢化社会の進展とともに、認知症患者数は増加の一途を辿っています。

 

厚生労働省は、認知症を「脳の変性疾患や脳血管障害によって、記憶や思考などの認知機能の低下が起こり、6ヶ月以上にわたって、日常生活に支障をきたしている状態」と定義付けています。1

 

認知症の種類によって症状は異なりますが、日常生活に支障をきたすことも多く、本人や家族にとっても大きな悩みとなります。

 

認知症の発症には、加齢以外にも様々な要因が関係していると考えられています。遺伝的要因や生活習慣、脳の血管障害などが影響すると言われています。しかし、現時点では完全な予防方法は確立されていません。

 

そこで今回は、認知症になりやすい人の性格や口癖、生活習慣ついて解説します。また、認知症の予防方法についてもご紹介します。ご自身やご家族の将来のために、ぜひ参考にしてみてください。

 

”ざっくり”この記事でわかること

・認知症になりやすい人の性格・口癖・生活習慣

・ネガティブな発言は自己暗示をかけてしまう

・認知症の予防には食生活・運動をはじめ、ストレス解消やポジティブな発言を心がける

 

 

 

-目次-

1. 認知症になりやすい人の性格

 1-1. イライラしやすい人

 1-2. 協調性のない人

 1-3. 心配性・神経質な人

2. 認知症になりやすい人の口癖

 2-1. ネガティブな発言

 2-2. 皮肉・悪口・批判を言う

 2-3. 「覚えていない」「わからない」

 2-4. 「昔はよかった」「今どきの若い人は」

3. 認知症になりやすい人の生活習慣

 3-1.食生活の偏り

  1)野菜や果物、魚介類の不足

  2)肉類の過剰摂取

  3)塩分・糖質の過剰摂取

 3-2.運動不足

 3-3.睡眠不足

 3-4.過度な飲酒・喫煙

 3-5. 社会との交流の欠如

4. 認知症の予防方法

 4-1. 食生活の改善

 4-2. 運動習慣を身につける

 4-3. 社会との交流

 4-4.質の良い睡眠

 4-5. ストレス解消

 4-6.ポジティブな発言

 4-7. 定期的な健康診断

5.まとめ

 -参考文献

認知症になりやすい人の性格

はじめに、認知症になりやすい人の性格を3つご紹介します。

1. イライラしやすい人

些細なことでイライラしたり怒りっぽい人は、ストレスを溜めやすい傾向にあります。ストレスは全身の血流を悪くさせ、脳を萎縮させる原因となり、認知機能の低下から認知症を発症するリスクが高くなる可能性があります。2

 

また、イライラしている人は周囲から避けられ、社会的に孤立することが考えられます。社会との接点が減ると脳への刺激が少なくなり、認知機能が低下する可能性があります。

 

もし、「急に怒りっぽくなった」と感じたら、既に認知症の始まりかもしれません。これは前頭葉の萎縮により、感情のコントロールが困難になるためです。言動がいつもと違うかもと感じた場合は、医療機関を受診しましょう。

2. 協調性のない人

周囲の人と協調性がなく、何でも自分でこなそうとする人や一人でいることを好む人は、他社とのコミュニケーションが希薄になり社会的な孤立リスクが高くなります。

 

イライラしやすい人と同様、社会との接点が減ると脳への刺激が少なくなり、認知機能が低下する可能性があります。

3. 心配性・神経質な人

スウェーデン・ヨーテボリ大学の研究によると、心配性の人は認知症の発症リスクが約2倍高くなることが報告されています。3

 

常に不安を抱えたり、心配性・神経質な人は脳が常に緊張状態に置かれ、ストレスを溜めやすい状態にあるといえます。

認知症になりやすい人の口癖

次に認知症になりやすい人の口癖を4つご紹介します。

1. ネガティブな発言

ネガティブな言葉を繰り返し口にする人は、脳にストレスを与え、認知機能の低下を早める可能性があります。

 

高齢になると退職や子供が自立することで、人の役に立っているという実感が得にくくなります。また、今まで当たり前にできていたことでもできなくなることが増え、自己肯定感が低くなり、否定されていると感じてネガティブな発言が増えてしまうことも考えられます。

 

2. 皮肉・悪口・批判を言う

東フィンランド大学の脳神経学者トルパネン博士の論文によると、皮肉を言う人は認知症発症リスクが3倍、死亡率が1.4倍も高くなると報告しています。4

 

皮肉を言うと、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、ストレスにさらされます。先に述べたようにストレスは脳を萎縮させ、認知機能を低下させることにつながります。

 

皮肉や悪口は他人に言っているつもりでも、脳は主語を理解できないため「自分に悪口を言っている」と判断してしまうのです。5

また、皮肉を言う人やいつも批判的な人は、周りから避けられ社会的孤立につながるでしょう。

3. 「覚えていない」「わからない」

ちょっとした物忘れや記憶喪失を軽視し、「覚えていない」「わからない」と口にする人は、認知症の早期発見・治療を遅らせる可能性があります。認知機能が低下していることを隠そうとする自己防衛反応から、そのように言っている可能性も考えられます。

4. 「昔はよかった」「今どきの若い人は」

これらの発言は考え方が凝り固まり、柔軟な考えができないことの現れといえます。高齢になり記憶力が低下してくると、短期的な記憶から抜けていきます。

 

一方で長期的な記憶は落ちにくく、過去の記憶は嫌な事を忘れて、良い記憶が残りやすいという性質があることで、昔の記憶が美化されていることも考えられます。

 

現在や新しい物事に興味を向けられないと、脳の活性化が妨げられ、認知機能の低下を早める可能性があります。6

 

認知症になりやすい人の生活習慣

認知症になりやすい人の生活習慣は主に5つです。

1.  食生活の偏り

脳の健康に必要な栄養素が不足する偏食は、認知機能の低下を早める可能性があります。

1) 野菜や果物、魚介類の不足

野菜や果物は、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれており、脳の健康維持に欠かせない栄養素です。

 

魚介類には、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は、脳細胞膜の構成成分であり、記憶力や判断力などの認知機能を維持するのに役立ちます。

 

これらの栄養素が不足すると、脳細胞の酸化や炎症を引き起こし、認知機能の低下につながる可能性があります。

2)肉類の過剰摂取

肉類を過剰に摂取すると、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が増え、脳血管障害のリスクが高まります。脳血管障害は、脳への血流を阻害し、認知機能の低下につながる可能性があります。

3)塩分・糖質の過剰摂取

塩分の過剰摂取は、高血圧の原因となり、糖質の過剰摂取は、糖尿病のリスクを高めます。

 

高血圧は脳血管認知症のリスクを高め、糖尿病はアルツハイマー型認知症が発症するリスクが高まる可能性があります。

2. 運動不足

運動不足になると、脳への血流が悪くなり、酸素や栄養素が十分に行き渡らなくなります。また、運動不足は脳細胞の減少にもつながります。

 

脳細胞は、新しい情報を学習したり、記憶を保持したりするのに重要な役割を果たします。脳細胞が減少すると、認知機能が低下する可能性があります。

3. 睡眠不足

睡眠不足や昼夜逆転は、脳の休息や修復を妨げ、認知機能の低下を早める可能性があります。睡眠中に、脳は一日の活動で蓄積された疲労を回復し、記憶を整理します。

 

睡眠不足になると、脳が十分に休息できず、記憶力や判断力などの認知機能が低下する可能性があります。

 

また、昼夜逆転は、体内時計を乱し、脳の機能に悪影響を及ぼします。体内時計が乱れると、ホルモンバランスが崩れたり、免疫力が低下する可能性があります。

4. 過度な飲酒・喫煙

過度な飲酒は、脳の委縮を引き起こし認知機能の低下を引き起こす可能性があります。

 

施設に入居している認知症患者のうち、29%は過度な飲酒が原因という調査結果もあります。[7

 

喫煙は、脳への血流悪化や脳細胞の減少を引き起こし、血管性認知症などの認知症リスクを2~3倍高めるといわれています。[8

5. 社会との交流の欠如

人と交流する機会が少ない人は、脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下を早める可能性があります。社会とのつながりがある人は、認知症やうつなどのリスクが少ないことがわかっています。

 

認知症の予防方法

規則正しい生活習慣を心がけ、運動、睡眠、食事のバランスを意識しましょう。

1. 食生活の改善

野菜や果物、魚介類をはじめ、多様な食材を組み合わせてバランス良く摂取しましょう。肉類は赤身よりも白身を選ぶようにし、塩分・糖分の摂取量を控えましょう。

 

たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルは、1日の食事で次の「10種類の食品」を「7種類以上」摂りましょう。詳細はこちらの記事で解説しています。

 

 

 

2. 運動習慣を身につける

適度な運動を継続しましょう。健康習慣として、65〜74歳は1日7000歩以上。75歳以上では1日5000歩以上の歩行が目安です。

 

家でもできる筋トレを取り入れるのも良いですね。詳細はこちらの記事で解説しています。是非参考にしてみてください。

 

 

 

3. 社会との交流

社会とのつながりを維持することは、認知症予防に効果的な生活習慣の一つです。家族や友人、地域の人との交流を大切にしましょう。

 

人と話すことで、脳の様々な機能が活性化されたり、ストレスを解消することができます。地域のボランティアや趣味のサークルに参加するなど、積極的に社会とのつながりを保ちましょう。 

4. 質の良い睡眠

睡眠は、健康にとって非常に重要です。 睡眠不足は認知症だけでなく、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。質の高い睡眠をとることで、健康的な生活を送りましょう。

 

睡眠時間は7~8時間程度取るように、毎日同じ時間に寝て起きることで、体内時計を整えることができます。カフェインやアルコールは、睡眠を妨げる効果があるため、寝る前の数時間はカフェインやアルコールを控えるようにしましょう。

 

寝る前の入浴も効果的です。ぬるめのお湯に浸かることで身体がリラックスし、睡眠に入りやすくなります。寝室の温度は、26~28度程度、湿度50~60%程度が快適に眠ることができる環境です。

5. ストレス解消

先述したとおり、ストレスは脳を萎縮させ、認知機能を低下させる原因となります。また、ストレスは心身の至るところに支障をきたします。

 

適度な運動や質の良い睡眠、社会との交流はストレス解消につながります。自分なりのストレス解消法を見つけて、ストレスを溜めないようにしましょう。

6. ポジティブな発言

認知症になりやすい人の口癖でお伝えしましたが、悪口は「自分に悪口を言っている」と判断して脳がストレスを受けてしまいます。

 

それなら、逆にポジティブな発言をして脳を喜ばせましょう。「今日も私は元気だ」「ごはんがおいしいな」「ゆったりと時間を過ごせて幸せだ」など。

 

また、「ありがとう」は、自分も相手も心地良く、ポジティブな気持ちにさせてくれます。話し相手がいない日は、「植物、元気に育ってくれてありがとう」「冷蔵庫、毎日働いてくれてありがとう」などでも良いでしょう。

 

普段から感謝の気持ちをもって過ごしたいですね。「病は気から」気持ちを明るく、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。

7. 定期的な健康診断

定期的に健康診断や歯科健診を受け、生活習慣病や認知症の早期発見・治療に努めましょう。

 

高血圧や糖尿病などの活習慣病は、認知症の発症リスクを高める因子の一つです。健康診断で生活習慣病を早期に発見し、適切な治療を受けることで、認知症の発症リスクを減らすことができます。

 

健康診断の一部項目では、認知症の早期発見に役立つ検査が行われます。早期に認知症を発見することで、適切な治療やケアを受けることができ、進行を遅らせることができます。

まとめ

認知症は、誰にでも発症する可能性のある病気です。ご紹介した性格や口癖の方が必ずしも認知症になるわけではありませんが、日頃の生活習慣を見直して、発症リスクを軽減していきましょう。

 

認知症は早期発見・早期治療が重要です。自身や家族からみて少しでも気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。

 

 

 

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参考文献

[1]認知症予防のための食事とは | 健康長寿ネット

[2]ストレスと脳 | 生物学科 | 東邦大学

[3]Cognitive and physical activity and dementia: A 44-year longitudinal population study of women

[4]Late-life cynical distrust, risk of incident dementia, and mortality in a population-based cohort | Neurology

[5]悪口を言ってはいけない理由|日蓮正宗 妙眞寺若葉会

[6]超高齢期の認知機能~百歳までと百歳から|東京都長寿医療センター研究所

[7]アルコールと認知症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

[8]「喫煙と健康」 禁煙して心身の健康を取り戻そう|健康寿命をのばそう SMART LIFE PROJECT


[他]

老人の取扱説明書|平松類

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