【若年性認知症とは?】<br />高齢期の認知症との違い、予防方法を解説|北海道札幌市周辺の介護施設を探すなら「介護コネクト」

【若年性認知症とは?】
高齢期の認知症との違い、予防方法を解説

ケアリエコラム>認知症関連

「認知症」と聞くと高齢者の病気と思われる方も多いはずです。しかし、65歳未満でも認知症になることがあります。これを「若年性認知症」といいます。

 

高齢期に訪れる認知症とは異なり、次のような特徴があります。

 

・罹患した人が現役世代である

 

・仕事を失うことで経済的に困窮するリスクがある

 

・配偶者も若くて仕事をしている

 

・子どもも独り立ちをしてない

 

・年代に応じた支援が必要 など

 

この記事では、若年性認知症の原因疾患や主な症状を説明するとともに、高齢期の認知症との違い、予防方法について解説します。

 

-目次-

1.若年性認知症の概要

2.若年性認知症の種類

3.若年性認知症と高齢期の認知症の違い

4.若年性認知症の症状

5.若年性認知症は早期発見が重要

 -具体的なチェックポイント

6.若年性認知症を防ぐには

 6-1.食生活の改善

 6-2.定期的な運動

 6-3.生活習慣の見直し

7.まとめ

-参考文献

 

若年性認知症の概要

若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症で、認知機能の低下によって日常生活に支障が出る病気です。罹患者は約3.8万人いると言われています。

 

若年性認知症の特徴は先述したとおりですが、親がこの病気に罹患することによって、子供が次のような影響を受けることも考えられます。

 

・罹患を知った精神的ショック

 

・経済的な理由によって高等教育機関の就学が難しくなる

 

・親の介護のため…仕事をセーブする、結婚が遅くなる など

若年性認知症の種類

認知症にはアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症など、いくつかの種類がありますが、若年性認知症は65歳未満で発症すればどの認知症に罹患していてもそう呼ばれます。

 

なお、若年性認知症の特徴・症状は高齢期の認知症と大差ありません。次のとおりです。

 

 

 

主な特徴

アルツハイマー型認知症

進行がゆっくりで早期発見が難しい。記憶障害、見当識障害、実行機能障害などが出る。

脳血管性認知症

記憶障害、見当識障害、実行機能障害が出るが、脳梗塞などによって障害を受けた機能は低下するが、障害を受けていない正常な部分は機能が保たれる。

レビー小体型

認知症

初期段階では物忘れの自覚があるが、進行すると記憶障害や見当識障害、実行機能障害が出る。パーキンソン病の症状(手指の震え、小刻み歩行など)や、幻視が見られる。

前頭側頭型認知症

若年期に発症することが多い。人格の変化、社会性の欠如、常同行動などが特徴的な症状が出る。

 

 

若年性認知症と高齢期の認知症との違い

若年性認知症は、高齢期における認知症とどのように違うのでしょうか。次の表にまとめました。

 

 

若年性認知症

高齢期の認知症

発症の時期

18歳~64歳に発症する

65歳以上

罹患者数

約3.57万人

約460万人

原因

認知症の種類によって異なるが、多くは原因が分かっていない

同左

特徴

記憶障害などの症状が出ても、うつやストレス、更年期障害と間違われ、早期発見が難しい

加齢に伴って、正常に働いていた脳の機能が低下することで、記憶や思考に障害が見られる

初期症状

・言葉が出にくい

・仕事がうまくこなせない など

・物忘れ

・同じことを何度も繰り返す

・言葉が出にくい など

身体機能

初期では歩行が自立し、簡単な作業ができることがある

認知症の進行とともに身体機能の低下が見られる

利用できる

公的な支援

・介護保険(介護サービス)

・医療保険(傷病手当金)

・雇用保険(失業等給付)

・就業支援 など

介護保険など

支援のあり方

年代や症状に合った支援だけでなく、経済的な支援が求められる。また、支える家族へのケアも重要

認知症の特徴に合わせた支援を行い、本人の尊厳を保持することが重要

 

 

若年性認知症の罹患者が現役世代で、被用者の場合は、介護保険だけでなく、医療保険や雇用保険など様々な制度を複合的に利用することが重要です。

若年性認知症の症状

若年性認知症の症状は高齢期における認知症と大きな差はありません。それぞれの認知症の種類、詳細は次のリンクをご覧ください。

 

▼画像をクリックするをコラムにとびます

 

 

 

 

 

若年性認知症は早期発見が重要

日常生活で以前とは行動や言動が違うという「気づき」が認知症の発見につながります。

 

最初は、ものを置き忘れたり、約束を忘れてしまうような記憶障害などの症状が出ても、うつやストレス、更年期障害と間違われる事があります。具体的な例としては以下のような行動です。

 

・冷蔵庫にあるのにまた同じものを買ってしまう

・料理の味付けが変わる

・車の運転で事故を起こしてしまう、目的地に着けない

 

本人もどうして良いのかわからず、イライラや不安から、物事に無関心になることもあります。

 

このような日常の行動や言動はメモをしておくと、受診した時に役立ちます。以下のチェックポイントを参考にしてください。

 

 

<具体的なチェックポイント>

同じことを何度も聞く

伝言したことがうまく伝わらない

電車・バスで乗る駅や降りる駅がわからない

よく知っている道なのに迷ってしまう

通帳・印鑑・財布をよく失くし、家族が盗ったと疑う

いつも同じ服を着て着替えたがらない

家電製品の使い方がわからない

テレビや新聞を見なくなる、関心がなくなる

風呂に入りたがらない

好きだった趣味の活動をしなくなる

鍋を焦がす、ガスの火を消し忘れる、水を出しっぱなしにする

外出したがらない

出典:「若年性認知症支援ガイドブックー相談を受ける人が知っておきたいことー改訂版」P.30

若年性認知症を防ぐには

若年性認知症を予防する特有の方法はありませんが、高齢期に発症する認知症の予防と同様に次の点に注意して予防することが大切です。

食生活の改善

暴飲暴食を避け、適時・適量で栄養価の高い食事を心がけましょう。

 

塩分や動物性脂肪などの過剰摂取は、血中脂質や血圧の上昇につながり、脳梗塞のリスクを高めてしまいます(脳血管性認知症の発症に繋がる)。

 

また、適正な体重と体脂肪率を維持し、肥満を防ぐことも有効です。

定期的な運動

仕事が終わった後や、週末を使って定期的に運動することが理想です。難しい場合は日々の生活のなかで適度に運動するようにしましょう。

 

・エレベーターを使わずに階段を使う

 

・外での移動で一駅くらいの距離ならば徒歩にする

 

・早歩きを心がける など

生活習慣の見直し

若年性認知症は発見が遅れがちです。なぜなら、多くの人が現役世代で仕事や家事をしており、心身のケアをしている時間があまりなく、認知機能の低下の原因が認知症であると気づきにくいためです。

 

よって、生活習慣を見直すとともに、定期的に心身をケアをしましょう。いつもと様子が違ったり、思いもしない間違いが連続した場合には、若年性認知症を疑うことも大切です。

 

まとめ

これまで述べてきたとおり、若年性認知症は高齢期に訪れる認知症とは異なり、この病気特有の困難性があり、年代に合わせた社会的な支援が求められます。

 

罹患した本人だけでなく、それを支えるご家族へのケアも重要だといえます。

 

もし、若年性認知症を疑うような症状が出たら、そのまま放置せず、早期に専門医の診察を受け、地域包括支援センターなどの公的な支援機関に相談すると良いでしょう。


施設探し・介護のご相談は介護コネクトにお任せください-

 

お電話からのご相談はこちら/

WEBからのご相談はこちら/


この記事の関連記事

施設見学レポート② 「介護付き有料老人ホーム カルナシア菊水」様

    皆様こんにちは、あなたのケアリエ和田でございます…

    皆様こんにちは、あなたのケアリエ和田でございます…

施設見学レポート③ 「サービス付き高齢者向け住宅 アリシア34」様

  皆様、こんにちはあなたのケアリエ和田でございます。 …

  皆様、こんにちはあなたのケアリエ和田でございます。 …

【札幌市の高齢者支援】介護保険サービス以外に札幌市が行っている12の支援

札幌市は、高齢者が安心して生活を送れるよう、介護保険サービス…

札幌市は、高齢者が安心して生活を送れるよう、介護保険サービス…

【要介護5とは?】自宅介護は可能?入居可能な介護施設、ケアプラン例を解説

要介護5は7区分に分かれている要介護認定区分のうち、最も重い…

要介護5は7区分に分かれている要介護認定区分のうち、最も重い…

【要介護4とは?】要介護5との違い、入居可能な介護施設、ケアプラン例を解説

要介護4は、7区分に分かれている要介護認定区分のうち、上から…

要介護4は、7区分に分かれている要介護認定区分のうち、上から…

【自動車運転免許証を返納するタイミング】4つの具体例と返納後も活用できる地域のサポートを解説

日本の高齢化が進む中で、多くの高齢者が運転を続けています。 …

日本の高齢化が進む中で、多くの高齢者が運転を続けています。 …

【札幌市の認知症支援】3つの支援と認知症高齢者が入居可能な施設を解説

札幌市は、認知症の高齢者やそのご家族などが安心して生活を送れ…

札幌市は、認知症の高齢者やそのご家族などが安心して生活を送れ…

【老後の一人暮らし】満足度や不安、一人暮らしを楽しむポイントを解説

近年、老後の一人暮らしの世帯数が増加傾向にあります。 これ…

近年、老後の一人暮らしの世帯数が増加傾向にあります。 これ…

北海道限定介護コネクトの電話番号 お問い合わせ