高齢期に訪れる
【身体的・精神的な変化】

ケアリエコラム>高齢者の病気/生活

人は誰しも高齢になると身体的・精神的変化が出ます。その程度は個人差があり、人によっては程度が重く、老化のスピードが早い方もいます。

また、これらの変化により実生活に困難が生じ、結果として要介護状態になってしまう恐れがあります。

 

この記事では、高齢期に訪れる身体的・精神的変化の特徴を紹介するとともに、それを軽減するための方法について解説します。

 

 

-目次-

1.身体的変化

2.精神的変化

3.実生活に与える影響

4.身体的・精神的変化の軽減策

 4-1.栄養内容の改善

 4-2.定期的な運動

 4-3.社会的役割創出・社会的交流の促進

5.まとめ

身体的変化

人は誰しも、加齢に伴って身体的な変化が現れます。これには遺伝的要素が原因となることもありますが、生活習慣や生活環境も決して無関係ではありません。

 

具体的には次のような変化が起きます。

 

・筋力低下

・視力・聴力の低下

・関節の拘縮

・骨粗しょう症(骨がもろくなる、骨密度が低くなる)

・嚥下障害(食べ物の飲み込みが悪くなる)

・予備力の低下(病気にかかりやすくなる)

・体温調整が難しくなる

・便秘、食欲低下 など

 

これら身体的変化は、次に説明する精神的変化を生むきっかけになることがあります。

精神的変化

高齢期に訪れる精神的変化で最も代表的なものは認知症ですが、認知症以外にも次のような変化が訪れます。

 

・新しい環境に適応することが難しい

・自信を失う

・頑固になる

・ストレスに弱い

・忘れっぽくなる

・ぼんやりと過ごすことが多くなる など

 

このような精神的変化は中年期以降に一律に訪れるものではなく、その程度・スピードには個人差があります。

実生活に与える影響

これまで紹介してきた身体的・精神的な変化が、実生活に影響を与えることがあります。

特に、視覚障害・聴力障害・慢性疾患が影響を与えやすいです。

 

以下、具体例を見ていきましょう。

 

項目

内容

視覚障害

目が見えにくいので・・・外出時や家事などでケガする

聴覚障害

耳が遠いので・・・人と話すのが億劫になる

記憶力低下

コミュニケーションが難しいので・・・

誰とも会わない・話さない

外出しても道に迷ってしまうから外出しない

記憶力の低下

判断能力の低下

新しいことに・・・チャレンジしない・できない

慢性疾患

病気がちで・・・身体が自由にならない・もう長く生きるのは嫌だ

 

つまり、身体的・精神的な変化が高齢者自身の本来持つ生きる力を阻害したり、QOL(Quolity of Life)の低下に繋がることがあります。よって、できる限り身体的・精神的変化を軽減して、自立した生活を継続することが重要です。

身体的・精神的変化の軽減策

これまで紹介してきた、身体的・精神的変化を最小限に留めるためには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。その軽減策を一つずつ見ていきましょう。

食事内容の改善

栄養バランスの取れた食事を心がけ、塩分や動物性脂肪、糖質(米・麺・パン等)の摂り過ぎに注意しましょう。

 

また、適正な体重と体脂肪率を維持し、肥満を防ぐことも身体的・精神的変化を軽減する手段として有効です。

 

食事の画像

定期的な運動

次に示すような運動を定期的に行う習慣を身に付けましょう。

 

・家の近くで散歩に適した歩道・ルートを定め、1回30分程度の散歩をする

・家の近くに公園や運動施設を見つけて利用する

 

歩く高齢者達

1回あたりの時間が短くても、毎日または2日に1回など、決まった時間に行うことで習慣化させることが大切です。運動の強度はそれぞれの状態に合わせて、無理なく安全に行える程度がよいでしょう。

 

社会的役割創出・社会的交流の促進

高齢になると家族的役割(保護者としての役割など)や社会的役割(労働者としての役割など)を喪失することが多いですが、高齢期においても新たな役割や目標を作ることが大切です。

 

・地域の役割(交通安全のボランティア、区長、民生委員など)を担う

・新たな趣味(絵画、俳句、スポーツなど)にチャレンジする

・積極的に地域のプログラム・サロンに参加し、交友関係を広げる

・友人たちとのネットワークを再構築する

談話をする高齢者達

 

大切なのは社会的役割の創出と、社会的交流の促進です。できる範囲で構わないので、社会とつながるようなプログラムに参加して、孤立・孤独感を解消することが重要です。

 

まとめ

人は誰もが年を取りますが、老化の程度は人によって様々です。

高齢期に訪れる身体的・精神的変化の特徴を十分に理解したうえで、できる対策から始めていきましょう。

 

食生活に関する悩みや、運動ができる場所や方法、地域で行われるサロン情報などについて知りたい場合は、市町村の健康増進センターや保健所に相談すると良いでしょう。

 

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