老人ホームの選び方 ~ 施設選びのポイントを専門家が解説 ~
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「たくさんある老人ホームのなかで自分に合う施設がわからない」という疑問や「施設選びのポイントを教えてほしい」という希望をお持ちの方もおられるでしょう。
この記事はそのようなお悩みを解決するために、専門家が老人ホームの選び方や、施設選びの5つのポイントを解説します。
老人ホームとは
いわゆる「老人ホーム」とは、病気や加齢によって居宅で生活を送ることが難しくなった高齢者が入居する福祉施設を指します。
超高齢社会を迎え「老人ホーム」という言葉が一般的になりましたが、一言で老人ホームと言ってもその種類はたくさんあり、それぞれに入居条件や費用が異なります。
●老人ホームの種類
老人ホームは公的施設と民間の株式会社等が運営する施設の2つに大別でき、それぞれに入居条件やかかる費用が異なります。
以下は老人ホームの代表例です。
1.特別養護老人ホーム
2.介護老人保健施設
3.介護医療院
4.養護老人ホーム
5.ケアハウス(軽費老人ホーム)
6.グループホーム
7.有料老人ホーム(介護付き、住宅型、健康型の3種類がある)
8.サービス付き高齢者向け住宅
9.シニアマンション ほか
なかでも、1~5は主に地方自治体や社会福祉法人等が運営する公的施設であるため、民間企業が運営する施設と比べて、費用が安くなります。
施設選び:5つのポイント
老人ホーム・施設選びは、その後の生活の質を左右する大きな選択であるため、入念に情報を収集し、慎重に選択することが重要です。
しかし、現状では特別養護老人ホームだけでも全国で8,000以上あり(出典:「令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況」厚生労働省)、有料老人ホームに至っては全国で約15,000施設を超えます(出典:「令和3年度 有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第 13 回)結果」厚生労働省老健局 高齢者支援課)。
このように、あまりにも数が多過ぎる現状であることから、次の事項を定めずに施設選びはできないと言って良いでしょう。
● 施設選びのポイントを定める
● そのポイントのうち優先順位を定める
では、ポイントとは一体どのようなものがあるのでしょうか。以下、施設選びのポイントを5つにまとめましたので一つずつ解説します。
●自分のニーズに合う種類・施設
老人ホームは、種類によって目的・対象・サービス内容が異なるため、まずは施設が自分の入居する目的に適うかどうかを確認します。
例:
・施設に終の棲家としての役割を求めたい:特別養護老人ホーム
・自宅復帰を目指すためにリハビリテーションをやりたい:介護老人保健施設
・医療と介護のどちらも必要なので、どちらも十分に受けられる施設がいい:介護医療院 など
次に、自分が施設に求めるもの(ニーズ)に沿って選びます。施設ごとに力を入れている分野・サービスが異なるので、よく確認するようにしましょう。
● 要介護状態で自立した生活が難しいので、職員配置が十分で、手厚い介護を提供してくれる施設
● 他者と交流することが好きなので、そのような催しが多いか、施設内外のレクリエーションが豊富にある施設
● 食べることが好きなので、食事メニュー・内容が充実している施設 など
●施設の雰囲気を知る
できれば入居前に見学を行い、施設内の雰囲気や他の入居者の生活状況を見て、自身の好みに合うかどうかチェックしましょう。
人と関わることが好きな方は、お元気な方が多く、賑やかな施設が良いです。一方で、静かな生活を希望する方は、個室でプライベート空間を確保でき、かつ小規模な施設が良いかもしれません。
●費用負担はどのくらいか(介護保険が使えるか)
入居した場合の月額費用が、どのくらいかかるかをチェックしましょう。先述した公的施設のなかには、介護保険が適用される施設や税金で助成される施設があり、この場合、入居費用の自己負担分が軽減されます。
かならずしも「月額費用が安い=介護の質が悪い」という訳ではありませんので、まずは介護保険が使えるかどうかを知ったうえで、自身の負担能力に合った施設を選びましょう。
●スタッフの配置・体制が整っているか
介護職員等の施設スタッフが、適切に配置されているか、人員体制が整っているか確認しましょう。
この配置規準を上回る施設だと、手厚い介護サービスに期待ができます。
●施設はアクセスがしやすいか
施設が不便なところに建てられていると、家族の面会頻度が減ったり、外出レクリエーションの機会が減ったりして、生活の質を下げてしまう恐れがあります。入居後に、外出する機会があるのか、社会との交流が十分に行える立地なのかチェックしましょう。
最後に
老人ホームにはたくさんの種類があり、施設ごとに特徴・費用が異なります。施設選びで迷ったら、実際に足を運んで複数の施設を見学したり、体験入居したりして、本記事で紹介したポイントに照らし合わせながら、比較検討しましょう。
施設選びは、余生の質を左右する重要な選択です。入居後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、しっかりと情報収集したうえで選択するようにしましょう。
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