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【高齢者とペット】
高齢者がペットを飼うメリットとリスク

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高齢期になると心身機能が低下するとともに、家族的・社会的役割を喪失し、自信を失ったり、社会的交流が減ったりすることが指摘されています。これらの様々な「喪失体験」は、より一層のADL(日常生活動作)の低下だけでなく、認知症の進行を招くことが懸念されています。

 

そんな中、心身の健康維持に良い影響をもたらすものの1つとして、近年注目を集めているのが、犬・猫をはじめとしたペットです。

 

この記事では、高齢者がペットを飼うメリットを紹介する一方で、ペットの面倒を見られなくなるなどのリスクとその対策法について解説します。

 

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ペットが高齢者におすすめの理由

地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所は、犬を飼っている高齢者は、飼ったことがない高齢者に比べ、介護が必要になったり、亡くなったりするリスクが軽減すると発表しました。

 

この研究結果によって、ペットが高齢者の心身機能の維持・回復に好影響を与えていることが、科学的なデータで裏付けられました。

 

では一体、ペットは高齢者に対してどのような影響を与えているのでしょうか。

以下、具体的に見ていきましょう。

刺激を与えてくれる存在

ペットは飼い主にさまざまな刺激を与えてくれる存在です。具体的には次のような内容です。

 

ペットの行動

飼い主への刺激・影響

ご飯・おやつを食べたくて、飼い主にアピールする。

ご飯やおやつを、いつ・どの程度与えるのか考える。また、そのタイミングを覚えて行動する。

撫でてほしくて、飼い主の近くに行く。

ペットの表情を見て、何を考えているのか、その気持ちを窺おうとする。

愛情を示すため、飼い主の顔や手指を舐める。

ペットの可愛らしさを見て愛情を感じ、心が穏やかになる。

散歩に行くことを求めて、鳴き声や態度でアピールする。

ペットの求めに応じて散歩へ連れ出し、運動量が増える(後述)。

 

上記のとおり、ペットとの間で行われるやり取りが、飼い主に良い刺激を与えると言えるでしょう。

運動量が増える

ペット(特に犬)は散歩に行くことを嬉しがります。室内または自宅外で繋がれた状態で過ごすよりも、自由に動き回ることのできる外の世界を散歩したがるのです。

飼い主がそれに応じて週に何度かペットと散歩に行くことになれば、外出の機会を得て、運動量が増えます。

 

室内で飼っている場合でも、ペットにご飯をあげるため立ち上がってお皿に盛ってあげたり、お水を準備したり、トイレ掃除をしたり、屋内で何もしないよりも運動量が増えます。

 

高齢期における適度な運動は、身体機能の維持に役立つだけでなく、認知症予防にも期待ができます。

孤独感の解消

ペットは飼い主の抱える孤独感を解消してくれる存在です。飼い主は、ペットの名前を呼んでその反応を見たり、何気ない時にじゃれ合ったりして、コミュニケーションを取っています。

 

ペットを飼うことは、コミュニケーション相手ができるということであり、孤独感の解消につながるといえます。特に一人暮らしの高齢者にとって効果的であるといえるでしょう。

社会的交流の促進

ペットを飼っていると、飼い主は外出の目的を得て、それにともなって社会的交流をすることができます。散歩では季節の移ろいを感じられ、他の飼い主とコミュニケーションを取る機会が増えます。

 

また、ペット用品を買いに出かけた際には、店員や他のお客とコミュニケーションを取ります。

ペットを飼っていることが、結果として社会的交流を促進するといえます。

高齢者がペットを飼うことのリスクとその対策方法

高齢者がペットを飼うことにおいて、大きく2つのリスクがあります。

 

 

・介護施設へ入居する際、ペットと入居できない

・もし万が一の時、誰がペットの面倒を見るのか

 

 

このような懸念材料があることで、高齢者のなかには「ペットを飼わない」「ペットは飼えない」と諦めている方もおられるでしょう。

 

以下、これらのリスクを軽減する方法を紹介します。

ペットと一緒に入居できる介護施設

老後を迎えて施設へ入所する際にも、家族の一員であるペットも一緒に入居したいというニーズは少なくないでしょう。

最近では、数こそ多くはありませんが、有料老人ホームを中心にペットと一緒に入居できる介護施設などが増えてきました。

 

ペットと一緒に入居できたとしても、飼い主としては「私に万が一のことがあったら、ペットの世話をどうしたら良いのか」という不安があります。

 

このような不安を解消できるように、次項で紹介するサービスを活用したいです。

 

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ペットを引き取るサービス

飼い主が最期を迎えたあと、あらかじめ交わしておいた契約に基づいて、企業やNPO法人が仲介し、ペットの引き取り手を探してくれるペット信託のサービスが登場しています。

 

このサービスを利用する際には、(業者やNPO法人の定めたルールによりますが)事前に一定の費用を信託銀行や、信託会社に預けておく必要があります。

もし飼い主に身寄りがなく、亡きあとにペットの面倒を見てくれる適当な人がいなければ、このようなサービスを利用して、ペットが路頭に迷わないようにしてあげると安心です。

 

またペット自体が高齢になった場合に利用したい、老犬・老猫ホームに関しても合わせて情報収集しておくと良いでしょう。

まとめ

ペットは高齢者の心身機能の維持・回復に良い影響を与える存在であることがわかりました。また、ペットを飼うことが、健康寿命の延長や認知症の予防につながることも期待できます。

 

ただし、飼い主自身が高齢化・要介護状態になるリスクに備えなければなりません。また、ペットの高齢化にも注意が必要です。一般的に、飼い猫や飼い犬の寿命は概ね10~15年と言われていますので、この記事で紹介したペット信託のサービスを利用したいです。

 

飼い主が責任をもって、最後まで面倒を見ることができるか、よく考えて判断することが重要です。

参考文献

・『最新 社会福祉士養成講座 高齢者福祉』一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集(2021)中央法規出版

ペットとの共生が人と社会にもたらす効果 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム(協力研究員)、国立環境研究所 谷口 優 2023.4.3

「犬を飼うと介護リスク半減、一方で猫は… 日本の高齢者1万人調査」 朝日新聞DIGITAL 2022年2月24日

「ペット飼育の有無と高齢者の身体的・心理的・社会的健康の関連」三島富有ら  老年学雑誌 第 9号

「ペットと暮らすシニア世代の方へ」 東京都保健医療局

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