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皆様こんにちは、あなたのケアリエ和田でございます。

今回は当別町にありますグループホームの施設長様から貴重なお話を聞かせていただきました。

 

とあるグループホームでのお話です。

 

「トイレに行ってくるね」というMさん。

実は、Mさんがトイレに行くのはこの1時間で既に10回を超えています。

 

Mさんは以前脳梗塞により後遺症ですり足歩行をしています。

普段は歩行器を使用していますが、自分で歩けると思って自分で立ち上がってトイレに行ってしまいます。

 

しかし1時間に10回以上となると、職員が毎回の度にトイレについていけるとは限りません。

 

そして忘れてしまうからこそ、失敗をしてしまうこともあります。

認知症の方は物事ができなくなったことは理解ができなくても、自分のことだからこそ、なんとなく自分の能力が落ちていることを察しているのだそうです。

 

そうして失敗がトラウマになってしまうのです。

 

物忘れと認知症の違いは行動の中身を忘れるか、できごと全体を忘れるかです。

例えば「夕食に何を食べたのかを忘れること」と「夕食を食べたことを忘れること」です。

では、なぜMさんはお手洗いに何度も行くのでしょうか。

 

このお手洗いに行くという行動は職員にとっては10回目かもしれませんが、認知症を患っているMさんにとっては常に1回目と感じています。

 

皆様は就寝前やドライブでパーキングエリアに停まったときに「なんとなくトイレに行っておこう」と思うことはありませんか？

 

それと同じように認知症の方はなんとなく退屈だったり、落ち着かなかったり、そういった理由で同じ行動を繰り返してしまうことがあるそうです。

 

では、実際の介護職員はどう対応しているのでしょうか？

 

この時に大事なことは、「気持ちを穏やかに過ごしてもらえる時間を作ること」です。

具体的には相手が喜んでくれる話をすること、私たちが興味をもって相手に話をしてもらうことだといいます。

 

Mさんはお話しが好きで、よくご家族のお話をしていました。

そこで介護職員はMさんから一番充実していた時のお話を聞きだしてみます。

 

Mさんはお子様を一生懸命育てていたころのお話、お子様のこと家族のことをとても楽しそうにお話してくださったそうです。

この方にとって充実していた時期というのは、子供たちから頼りにされていた時のことでした。

 

こうしてご家族のお話をしてもらうと30分経っても45分経ってもトイレに行くことはありませんでした。

 

トイレへ行きたいという衝動に対応するのではなく、自分を表現できる生活空間を整えてあげることが重要になります。

 

認知症の皆さんは同じことを繰り返し話されますが、それはいったいどうしてでしょうか。

 

単純に言ったことを忘れてしまうからと受け止めるか、自分のことを表現したいと思っているのか、受け止めかたによって変わる接し方によって混乱する時間を減らすことができるかもしれません。

 

認知症を患っている方とお話をしていると「私、ダメになってしまったの」という声をよく耳にします。

 

ここで大切なのは「ダメになっている」というキーワードを聞いて聞き流すのではなく、いつの時代の自分と比べてダメになっていると感じているのかを考えることです。

最後に、相手の心が求める基準を知り、その人が思う「自分らしさ」を表現できるように関わっていくのがグループホームの役割だと、教えていただきました。

 

今回グループホームでのお話を聞かせていただき、とても勉強になりました。

今後も施設長様やケアマネージャー様、お客様たちからお話を聞いて、皆様にお伝えできればと考えております。

 

今回は少し長くなってしまいましたがご拝読いただきありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

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