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【日常生活自立支援事業とは?】サービスの内容と流れを解説

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認知症高齢者の暮らしのなかには、様々な不安や疑問があるのはもちろんのこと、判断に迷ってしまう場面が少なくありません。このような方たちを支援する制度として、日常生活自立支援事業があります。

 

日常生活自立支援事業は、認知症などによって判断能力が不十分な方の金銭管理や、福祉サービスの利用に伴う契約を支援する制度です。たとえ認知症や障害を抱えていても、このようなサポートを受けながら安心して暮らせるようになることを狙いとしています。

 

この記事では、日常生活自立支援事業の概要を説明するとともに、認知症高齢者が利用するシーンに絞って制度を利用する方法などを紹介します。

 

”ざっくり”この記事でわかること

・軽い認知症を患う高齢者などをサポートをしてくれる

・日常生活自立支援の主なサービス内容は4つ

・サービスの相談・支援計画は無料、サービスの利用は有料

 

-目次-

1.日常生活自立支援の概要

2.対象者

3.サービスの内容

 3-1.福祉サービス利用援助

 3-2.日常的金銭管理サービス

 3-3.日常生活に必要な事務手続きのサポート

 3-4.書類等を預かるサービス

4.制度利用の流れ

 4-1.相談申し込み・相談

 4-2.専門員の訪問と面接調査

 4-3.権利擁護審査会

 4-4.契約締結・支援計画の作成、サービス開始

5.よくある質問

 5-1.この制度でできないことは?

 5-2.契約までにかかる期間は?

 5-3.利用料は?

6.まとめ

 -参考文献

日常生活自立支援の概要1

日常生活自立支援事業とは、認知症などに罹患して判断能力が不十分になった高齢者が、社会福祉協議会(以下、社協)との契約に基づき、福祉サービスの利用申し込み・契約の代行や、日常的な金銭管理や重要書類等の預かりや保管などの支援を受けられる事業です。

 

実施主体は都道府県社協および指定都市社協ですが、この制度の利用相談や申込みは市町村社協で行います。この制度を通して認知症高齢者などの権利を守りながら、地域で安心して生活を送ることができるようにすることを目的としています。

対象者

日常生活自立支援事業は、次の方を対象にしています。

 

・軽い認知症を患う高齢者

・知的障害・精神障害などにより判断能力が十分でない方

・一人で福祉サービスの利用手続きすることに不安がある方

・預金の出し入れや公共料金の支払い、重要書類の保管を一人で行うことに不安がある方

 

なお、認知症の診断を受けていない方や障害者手帳を取得していない方も、この制度を利用することができます。また、福祉施設への入所や、病院に入院中でも社協スタッフの訪問を受けることで同制度を利用することが可能です。

サービスの内容2

日常生活自立支援のサービス内容は次の4つです。

福祉サービス利用援助

福祉サービスを安心して利用できるよう、社協職員がサポートをしてくれます。

 

・福祉サービスに関する情報の提供、相談

・福祉サービス利用の申し込み、契約の代行

・入所している施設、入院先のサービスや治療などに関する相談

・利用している福祉サービスに関して苦情がある場合、苦情解決制度の利用手続きの支援 など

日常的金銭管理サービス

日頃使う金銭を社協が管理し、支払い代行などをしてくれるサービスです。

 

・福祉サービス利用に関する費用の支払い代行

・通院または入院している医療機関への医療費の支払いの手続き

・年金や社会手当などの受け取りに関する手続き

・税金や各種の保険料、光熱費の支払いの手続き

・日用品購入の代金支払いの手続き

・預貯金の出し入れや解約の手続き など 

日常生活に必要な事務手続きのサポート

日常生活を送るうえで必要となる行政手続きや、必要な事務手続きを支援・代行してくれるサービスです。

 

・住宅改修や居住する家屋の賃借に関する情報提供、相談

・住民票の届け出などに関する手続き

・よく分からないまま購入した商品の解約(クーリング・オフ制度など)の手続き郵便物の確認 など 

書類等を預かるサービス

管理が難しい書類を安全な場所で預かってくれるサービスです。対象となる書類は次のとおりです。

 

・年金証書や年金手帳

・預貯金の通帳

・証書(保険証書、不動産権利証書、契約書など)

・印鑑:実印、銀行の届出印

・その他実施主体が適当と認めた書類(カードを含む) など

※ただし、宝石、書画、骨董品、貴金属類は預けることができない

制度利用の流れ3][4][5

ここからは制度を利用する流れを説明します。

1. 相談申し込み・相談

お住まいの区の社協に連絡して相談を申し込みます。本人はもちろんのこと、ご家族や身近な方、民生委員や地域包括支援センターを通して問い合わせることも可能です。

 

いずれにせよプライバシーに配慮し、秘密を守ってくれるので、気軽に安心して相談することができます。

2. 専門員の訪問と面接調査

社協職員が対象者のご自宅・入院先などを訪問して、同事業の説明や利用意思の確認が行われます。職員は対象者が契約能力を有しているか確認するため、契約締結ガイドラインにそった面接調査を行います。

3. 権利擁護審査会

同事業の契約を締結に関して、専門的な見地から審査・確認が行われ、承認or不承認のいずれかに判定されます。

4. 契約締結・支援計画の作成、サービス開始

対象者への援助内容を定めた支援計画書が作成されます。内容に間違いがなければ、対象者と社協とで利用契約を締結します。その後、支援計画にそって社協職員がサービスを提供します。

よくある質問

日常生活自立支援に関してよくある質問は以下のとおりです。

この制度でできないことは?6

 

できないこと

・施設入所にともなう身元引受人、保証人

・外出支援やホームヘルパーが行うような介護の提供、買い物代行

・対象者の自宅の処分、賃貸の解約

・確定申告 など

預かってもらえないもの

・自宅の鍵、貸金庫の鍵、遺言書

・宝石、書画、骨董品、貴金属、現金

・価格変動の可能性がある有価証券 など

 

契約までにかかる期間は?6

初回の相談から契約までにかかる期間は、約2~6ヵ月です。ただし、対象者の状況や契約内容などによっては、それ以上の時間がかかりますので注意してください。

 

利用料は?6][7

相談と支援計画の作成は無料ですが、サービスの利用は有料です。

利用料は市町村社協の定める設定基準があり、対象者の収入に応じて利用料金が異なります。概ね次のとおりです。

 

サービス項目

費用

福祉サービス利用援助

日常的金銭管理

1回1時間あたり約1,200円

※社協職員がサポートを実施するうえでかかる交通費は実費負担

書類等の預かり

標準月額200円程度

※貸金庫を利用する場合は、その実費を負担

 

※詳しくはお住まいの地域の社協に問い合わせてください。

まとめ

この記事では社協の実施する日常生活自立支援事業を紹介しました。

同事業の利用者数は年々増えており、判断能力が不十分な高齢者の生活を支える仕組みとして定着しつつあります。

 

認知症や障害を抱えていても、このようなサポートを受けながら安心して暮らせるよう便利に利用したいですね。


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